副鼻腔炎の原因と症状
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副鼻腔炎とは
鼻の周囲には、左右に4種類ずつ、合計8つの空洞があり、この空洞を副鼻腔と呼びます。
それぞれの副鼻腔は、鼻の中と小さな孔(あな)でつながっていて、副鼻腔炎とは、この孔(あな)から副鼻腔にウイルスや細菌が入って炎症を起こした状態のことを言います。
副鼻腔炎には、急性と慢性があり、炎症を起こして1ヶ月未満を急性副鼻腔炎、3ヶ月以上続いた場合を慢性副鼻腔炎と言います。 -
急性副鼻腔炎
●原因
風邪によるウイルスや細菌感染、アレルギー性鼻炎、上顎の歯の虫歯などで起こります。●症状
- 鼻づまり
- 鼻水(黄色・緑色)
- 顔の痛み、頬の痛み、頭痛
- 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
- 痰がらみの咳
- においがわからない
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慢性副鼻腔炎
副鼻腔炎が3ヶ月以上続いた状態です。慢性副鼻腔炎は大きく分けて次の3つのタイプがあります。
- 蓄膿症(従来からの一般的な慢性副鼻腔炎)
- 好酸球性副鼻腔炎
- 副鼻腔真菌症
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蓄膿症(従来からの一般的な慢性副鼻腔炎)
慢性副鼻腔炎の多くがこのタイプです。
●原因
急性副鼻腔炎が長引いて、慢性化することで起こります。●症状
- 黄色や緑色の粘り気のある鼻水が続く
- 鼻づまりがずっと続く
- 鼻水がのどに落ちる症状(後鼻漏)が長引く
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好酸球性副鼻腔炎
最近増えてきているタイプの副鼻腔炎です。
●原因
白血球の1種の好酸球が副鼻腔で増加し、炎症を起こして発症します。●症状
- のりのような非常に粘り気の強い鼻水
- 鼻茸(鼻ポリープ)ができやすく、鼻づまりがひどい
- においの感覚(嗅覚)が障害されやすい
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副鼻腔真菌症
●原因
空気中のカビ(真菌)が副鼻腔の中に入って増殖し、炎症を起こします。●症状
通常、片側の副鼻腔に起こることが多く、症状も片方の鼻が多いです。悪臭を伴う膿のような鼻水が出ますが、初期には症状が出ないこともあります。
こちらの記事の監修医師 :
医療法人一心会 京本耳鼻咽喉科
院長 京本良一
- 平成5年3月関西医科大学卒業、医学博士号取得。
- 平成5年から平成17年まで大学病院や基幹病院にて勤務。
- 平成17年8月京本耳鼻咽喉科開院を経て現職に至る。
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医
- 補聴器相談医
耳鼻咽喉科専門医として、丁寧で優しい説明・診療を心がけ、小さなお子様からご高齢の患者様まで、「来てよかった!」と安心いただける医療を提供してまいります。