花粉症
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花粉症とは
スギ・ヒノキなどの花粉が原因となって、花粉が飛んでくる季節にだけ症状がおこる季節性アレルギー性鼻炎を花粉症と呼びます。花粉に対するアレルギーのある方が、鼻の中に花粉を吸い込むことで、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状を起こし、目の中に花粉が入ると目のかゆみなどの眼症状も起こします。
また、のどや気管支に花粉を吸い込むと、のどのかゆみや咳の原因にもなります。 -
年々増えている花粉症
花粉症の患者数は年々増えており、春のスギ・ヒノキ、春の終わりから夏のイネ科の雑草、秋のキク科の雑草など、花粉の種類は様々ですが、特にスギによる花粉症は、今や日本人の約4人に1人が発症しているといわれています。
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原因
花粉症は季節性アレルギー性鼻炎と呼ばれ、原因となる花粉が飛散している時期にだけ症状が引き起こされます。花粉症の主なアレルゲンはスギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサなどがあり、日本では約60種類の花粉がアレルゲンとして報告されています。
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治療法について
●薬による治療
一般的に治療の中心になるのは、薬による治療で、内服薬、鼻にスプレーする点鼻薬などを症状に合わせて用います。
薬による治療は進歩しており、「初期療法」(花粉が飛び始めるタイミング(症状が出る前)で、薬の服用を始める治療法)をおこなうことで、飛散シーズン中の症状を抑えることが可能になってきています。
ひと昔前は、薬によって眠気やのどの乾燥などを生じることもありましたが、現在は、これらの副作用もほとんど起こらない薬が開発されています。
また、一部の薬を除いて、長期に服用しても体への影響もほとんどありませんので、安心して服用していただけます。●手術による治療
薬による治療で効果が少ない場合や薬の服用を出来るだけ減らしたい場合には、手術による治療もおこないます。
一般的におこなわれている手術は、レーザーなどで鼻の中の下甲介という場所の粘膜を焼く手術(下甲介粘膜焼灼術と呼びます)です。この手術は、日帰りで安全にできる治療法で、約20分程度で終わります。
ご希望の方には、予約制でおこなっております。治療をおこなう時期としては、花粉が飛び始める前(スギ花粉症であれば9月~1月末まで)におこなうのが望ましいと考えられています。●舌下免疫療法
舌下免疫療法とはスギ花粉症の新しい治療方法です。スギ花粉のエキスを舌下より体内に少しずつ取り入れ、体をスギ花粉に慣れさせる治療方法です。従来からの注射による免疫療法と比較して、安全性が高く、痛みもなく、頻回の通院も不要です。
舌下免疫療法について -
注意していただきたいこと
医療機関で処方される点鼻薬と違い、ドラッグストアなどで市販されている点鼻薬は「血管収縮剤」が含まれている場合が多く、使用した直後は良く効くのですが、繰り返し使用を続けると次第に鼻の粘膜が固く腫れてきて、血管収縮剤入りの点鼻薬を使っても効果がなくなってしまう薬剤性鼻炎を起こす恐れがあります。したがって、市販の血管収縮剤の含まれた点鼻薬を10日以上連用することは極力控えるようにしてください。