風邪
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風邪とは
- 主にウイルス感染によって、上気道(すなわち、鼻やのど)が炎症を起こした状態です。
- 原因の約90%はウイルスで、風邪症状を起こすウイルスの種類は200種類以上あると言われています。
- 幼少児では1年に6~8回、成人では1年に2~4回は風邪にかかると言われており、非常によくみられる病気です。
- 通常10日程度で治癒する場合が多いですがさらに症状が長引く場合や途中から悪化する場合は細菌感染の合併を起こすことがあります。
- それに伴って、中耳炎や副鼻腔炎を起こしたり、上気道から下気道(気管支や肺)へ炎症が広がって気管支炎や肺炎を合併することがあります。
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風邪の症状
風邪の症状は、鼻やのどに関する局所の症状から全身の症状まで非常に幅広いです。以下によくみられる風邪の症状をお示しします。
鼻の症状:鼻水・鼻づまり・くしゃみ
のどの症状:のどの痛み・咳・痰が出る
全身の症状:発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・
だるさ・関節痛 -
風邪の治療
(耳鼻咽喉科ならではの鼻やのどの治療):鼻やのどへの直接的な治療
鼻症状に対して、鼻水の吸引や鼻の中への薬液噴霧、のど症状に対して、のどへの薬液噴霧や塗布などの局所治療を行ない、症状を改善させます。また、霧状になった薬液を吸入して、鼻やのどに直接薬剤を作用させるネブライザー治療も行ないます。
内服薬による治療
ウイルスそのものを退治する薬は無いため、鼻水を止める、のどの痛みを抑えるといった症状に合わせた薬を処方します(対症療法)。また、細菌感染の合併が疑われる場合には、抗菌薬の処方も行ないます。
漢方薬による治療
漢方薬は心身を整え体の免疫力を高めて、風邪から治る力を向上する働きがあります。その方の体力や病状に合わせて、適切な薬を選んで処方することが重要です。
ご自宅で注意すること
できるだけ安静にして、睡眠を確保してください。水分をしっかり取り、処方された薬を飲んで体を休めてください。 -
風邪にかからないためには
風邪に感染する主な経路は、咳やくしゃみに含まれるウイルスを直接吸い込むことによる飛沫感染とウイルスに触れた手などを介して伝播される接触感染があります。
風邪にかからないためには、これらの感染経路を遮断することが重要で、特にこまめに手洗いすることが一番大切です。うがいは、水によるうがいは効果的ですが、うがい薬によるうがいはのどの粘膜を荒らして逆効果の場合があるので注意が必要です。マスクは、鼻からあごの下までしっかりフィットするように着用してください。
また、体の免疫力を保つために、できるだけ過労・睡眠不足・ストレスを避けて、栄養バランスのとれた食事を心がけてください。
こちらの記事の監修医師 :
医療法人一心会 京本耳鼻咽喉科
院長 京本良一
- 平成5年3月関西医科大学卒業、医学博士号取得。
- 平成5年から平成17年まで大学病院や基幹病院にて勤務。
- 平成17年8月京本耳鼻咽喉科開院を経て現職に至る。
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医
- 補聴器相談医
耳鼻咽喉科専門医として、丁寧で優しい説明・診療を心がけ、小さなお子様からご高齢の患者様まで、「来てよかった!」と安心いただける医療を提供してまいります。