補聴器を購入する前にVol4.|補聴器のメンテナンスは「毎日のお手入れ」と「音の再調整」が肝心
耳の病気|2026.07.23前回のコラムはこちら
【コラム】補聴器を購入する前にVol.3|補聴器のフィッティングとは?
補聴器はメンテナンスが重要
「補聴器を買ったから、これでひと安心。あとは壊さないように使うだけ」、もしそのようにお考えでしたら、ぜひ今回の内容を最後まで読んでみてください。
補聴器における「メンテナンス」とは、器械を毎日お手入れすることはもちろんですが、実は、それと同じくらいに大切なのが「聴力の変化に合わせて、補聴器の音を合わせ直していくこと」なのです。
今回は、補聴器を長く快適に使いこなすための、本当の意味でのメンテナンスについてお話しします。
メンテナンスは「毎日のお手入れ」と「音の再調整」の両方に必要
補聴器のメンテナンスには、「故障の防止のための毎日のお手入れなどのメンテナンス」と「聴力の変化に合わせて、補聴器から出る音を再調整する音のメンテナンス」との二つの柱が必要です。この二つのメンテナンスを行っていくことで、補聴器を長く快適に使い続けることができます。
補聴器の音の再調整のために、「定期的な耳の診察と検査」が欠かせない
「最近、なんだか補聴器をつけていても聞き取りにくくなったな」と感じることはありませんか?それは、補聴器が故障したのではなく、あなたの「耳の聴こえ方」が変化したサインかもしれません。
●定期的な耳の診察で病気の有無のチェックを
補聴器を使っていると、知らず知らずのうちに耳垢が奥に溜まっていたり、耳の中の皮膚が荒れたりすることがあります。聴こえにくさの原因が「難聴の進行」ではなく、耳垢の詰まり・外耳炎・中耳炎といった、治療で治る病気の可能性もあります。定期的に診察を受けることが、これらの病気を見逃さないために大切です。
●聴力は少しずつ変化していくもの
私たちの聴力は、年齢を重ねるごとに、少しずつ変化していきます。いわゆる「加齢による難聴」は、ご自身では気づかないほどゆっくりと進行することが一般的です。
せっかく高機能な補聴器を持っていても、設定が「数年前の聴力」のままでは、今のあなたにとっては「音が小さすぎる」あるいは「特定の音だけが響きすぎる」という状態になってしまいます。
定期的に耳の検査を受けることで、今の自分の聴こえを正しく把握し直し、補聴器を今の自分に合うように「再調整」することが必要です。
●今の耳に最適な音へ補聴器を再調整
補聴器を検査で得られた最新のデータをもとに、
「高い音がもう少し聞き取りにくくなっているから、そこを重点的に補おう」
「騒がしい場所での聞き取りが苦手になったから、雑音抑制を強めよう」
といった具合に、音の設定を再調整します。
これを定期的に行うことで、補聴器を今の自分に適切に合った状態に作り直すことができます。
もし再調整をせずに、古い設定のまま使い続けると、だんだん補聴器の効果が感じられなくなって、「補聴器をつけても聞こえなくなったから、もう使うのをやめよう」と諦めてしまうことにつながります。定期的に今の聴力に合わせて再調整することが、快適に補聴器を使って、聴こえやすい状態を保つために必要なことです。
毎日の補聴器のお手入れも大切
補聴器本体が故障してしまうと、当然ながら補聴器をつけても聞こえなくなってしまいます。補聴器の故障の主な原因は「汗」「皮脂」「湿気」「耳垢(耳あか)」です。補聴器の寿命を長持ちさせるためには、毎日のお手入れが大切です。
●補聴器本体のお手入れ
- 拭く:補聴器は塩分が大敵です。柔らかい布やアルコールを含んだウエットティッシュで表面についた汗・皮脂・耳垢を優しく拭きとります。その際に、補聴器の音が出る小さな穴が耳垢で塞がっていないかもチェックしてください。
- 乾かす:湿気の対策も重要です。専用の乾燥ケースや電気乾燥機に入れて、内部にこもった湿気を追い出します。
●耳のお手入れ
- 入浴後のお手入れ:入浴後は、耳の入口の水分をタオルなどで拭き取ってください。(ただし、綿棒などで耳の奥まで拭き取ると、耳を傷つける原因になるので禁止です。)
- 朝の耳のお手入れ:朝の洗顔時に、温かいタオルで耳を拭くことをおすすめします。就寝中にかいた汗や皮脂汚れを落とすために効果的です。
3~6か月に一度は耳と補聴器の定期診断を
今までお伝えしてきたように、補聴器を適切に使い続けるためには定期的なチェックが必要で、「3~6か月に一度」の受診をおすすめしています。
補聴器専門店と協力しながら、以下のことを行っていきます。
- 耳の診察:耳の中に異常がないかを確認します。
- 聴力の再検査:以前の状態と比べて聴こえの変化がないかを測定します。
- 音の微調整:検査結果や、生活の中での「もう少しこうしたい」というご要望に合わせて設定を再調整します。
- 認定補聴器技能者による清掃と点検:ご自身ではできない部分の清掃や補聴器が正常に動いているかの点検を行います。
この定期診断を繰り返すことが、補聴器を長く適切に使っていく上で大変大切なこととなります。
まとめ
補聴器のメンテナンスは、補聴器を良きパートナーとして使い続けるために必要なことです。
耳の状態は時間の経過とともに少しずつ変わっていきます。その変化に合わせて補聴器を再調整し、そして耳の病気の有無についても定期的にチェックするように心がけましょう。
次回のコラム(Vol.5)では、シリーズの締めくくりとして、「補聴器購入に伴う公的補助」についてお話しします。費用面でのサポートを受けられる場合もあるので、どのような制度があるのかをお伝えしたいと思います。
※公開までしばらくお待ちください※







